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【一般質問答弁】令和8年第3回定例会一般質問

令和8年9月28日

公明党 西山陽介 議員

  • 区長答弁

ただいまの、西山陽介議員のご質問にお答えいたします。

私からは、持続発展都市・豊島のこれからに関する3点のご質問にお答えいたします。まず、「消滅可能性都市」との指摘から今日までの変化の総括と、次代へ継承すべき本区の財産についてです。

平成26年、本区は23区で唯一「消滅可能性都市」と指摘されました。これは区にとって大きな衝撃であり、同時に、まちのあり方を根本から問い直す転機となりました。

以来、子育て支援、女性や若者への支援、文化・芸術によるまちづくり、池袋を中心とした都市再生、産業振興、防災など、あらゆる分野で取組を重ねてまいりました。その結果、人口は増加に転じ、若年女性人口の予測は大幅に改善されるとともに、納税人口の増加により財政の健全化が実現し、令和6年には、消滅可能性都市からの脱却を果たしました。まちの姿も大きく変わりました。これらは、区として誇るべき成果であると考えております。

しかし私は、豊島区の変化の本質は、こうした数字や街並みの変化だけにあるのではないと考えております。

この間の取組は、行政だけで成し得たものではありません。議会の皆様と真剣な議論を重ね、区民の皆様、町会・自治会をはじめとする地域団体、企業、大学、NPOなど、多くの皆様が課題を自分ごととして受け止め、共に知恵を出し、行動してくださいました。

西山議員ご指摘の「行政・議会・地域・民間が課題を共有し、知恵を出し合ってきたプロセス」。私は、これこそが豊島区の最も大きな財産であると考えております。

次代へ継承すべき財産は、二つあると考えます。一つは、この間の取り組みによって築かれた、にぎわいのある都市の姿や文化の蓄積といった、目に見える財産です。

もう一つは、人と人とのつながり、地域の力、そして課題に共に向き合い、一緒にまちを良くしていこうとする「共創の文化」という、目に見えない財産です。建物や施設はいずれ更新の時を迎えますが、この共創の文化は、受け継ぎ、育て続ける限り、豊島区の力であり続けます。

令和7年3月、1年前倒しで策定した新たな「基本構想・基本計画」も、若い世代から高齢世代、企業・団体の皆様等からいただいた声を一つひとつ受け止め、これからの豊島区の共通の指針としてまとめたものであり、まさにこの「共創の文化」の結実であります。

一方で、課題がすべて解消したわけではありません。少子高齢化の進行をはじめ、本区を取り巻く環境は、引き続き厳しさを増しております。だからこそ、これからは人口という数字だけを目標とするのではなく、「ここで暮らしたい」「ここで子どもを育てたい」「このまちを支えたい」と思っていただけるまち、誰もが安心して暮らし、挑戦でき、年齢を重ねても住み続けたいと思えるまちとして、豊島区の価値をさらに高めていく段階に入ったと認識しております。

「消滅可能性都市」という指摘に、数多くの皆様と共に向き合ってきたこの経験と、そこで育まれた共創の文化を、確かな財産として次の世代に引き継いでまいります。

 

次にご質問の2点目、10年、20年先を見据えたグランドデザインと、政策と投資の優先順位についてです。

西山議員ご指摘のとおり、行政・議会・地域・民間が課題を共有し、知恵を出し合ってきたことは、本区のかけがえのない財産です。この財産を生かし、次の10年、20年へとつなげていくための羅針盤が「基本構想・基本計画」です。「基本構想」では、10年先の「目指すべきまちの将来像」を描き、そこから逆算して、実施すべき施策や取組方針を導き出す「バックキャスト」の考え方に基づき、「基本計画」に実施すべき施策を位置付けております。

私が描く10年、20年先の豊島区は、誰もが安全・安心に、自分らしく暮らし続けることができ、多様な人々がつながり合い、培ってきた文化や歴史を大切にしながら、新しい文化や産業、挑戦が次々と生まれるまちです。区民の皆様が「住み続けたい」、新たな方が「住みたい」、多くの方が「訪れたい」と思い、そして次の世代が「このまちを引き継ぎたい」と思える。そうした持続可能な豊島区をつくること。これが、私のグランドデザインです。

西山議員からは、生活の質、子ども・若者の希望、地域で支え合う力、災害への強さ、そして公共施設や財政の持続可能性をどう両立させるかとのご指摘をいただきました。私は、これらは、どれかを選べば他を諦めるというものではなく、互いに支え合う関係にあると考えております。

子ども・若者への投資は、将来のまちの担い手を育てます。健康・福祉の充実は、地域で支え合う力につながります。文化や産業・観光は、まちの活力とともに、区民の皆様の誇りと愛着を育みます。こうした取組をつなげることで、豊島区全体の魅力と持続可能性を高めてまいりたいと考えております。

その上で、優先順位の考え方につきましては、まず、すべてのまちづくりを支える「1丁目1番地」である安全・安心の取り組みです。防災・減災、危機管理、治安、住環境、そして地域で支え合う力は、区民の生命と暮らしを守る土台であり、最優先で取り組んでまいります。

残る6つのまちづくりの方向性につきましても、いずれも欠かすことのできないものであり、分野の間に序列を付けるものではありません。しかし、限られた財源の中で、すべての施策を一律に拡大することはできません。そこで、毎年度、重点テーマを設定するとともに、それぞれの分野の中で、今こそ注力すべき取り組みを見極め、財源と人材を重点的に投入してまいります。

その判断にあたっては、区民ニーズや社会状況、事業の効果に加え、「この事業は10年後、20年後の豊島区に何を残すのか」、そして「将来世代にどのような負担を残すのか」という視点を常に持つことが必要と考えております。

また、財政の持続可能性については、「公共施設等更新計画」により、大規模な支出が必要となる時期が明らかになっております。その時期から逆算して、起債や基金の積み立てを計画的に進めるなど、将来世代に過度な負担を残さない財政運営を行ってまいります。

将来像は描いて終わりではありません。社会や区民ニーズの変化を捉えながら、取り組みの成果を検証し、必要に応じて政策や投資の重点を見直すこと。将来像から逆算して、今やるべきことを決め、実行し、検証し、次の政策につなげていくこと。基本構想に描いた将来像を、現実の豊島区として実現していくには、この積み重ねが必要です。

今の区民の皆様の暮らしをしっかりと支えながら、10年、20年先の豊島区にも責任を持つ。その思いを持って、次の世代に誇りを持って引き継ぐことのできる豊島区をつくっていくことが重要であると認識しております。

 

次にご質問の3点目、区政において、区民の声を共有し、部局横断で政策につなげることができる組織文化を、いかに定着させるかについてです。

西山議員がおっしゃった「一人の声から始まる、誰一人取り残さない区政」は、私自身が区長として、最も大切にしてきた考え方であります。私は区長に就任して以来、区民の皆様の声を直接お聞きすること、そして、お聞きした声を担当部署だけで終わらせず、組織全体で共有し、政策につなげていくことを大切にしてまいりました。新たな「基本構想・基本計画」においても、子ども・若者をはじめ、多くの区民の皆様からいただいた声を大切に、政策に反映しております。

AIやデジタル技術がどれほど進展しても、行政の中心にいるのは「人」です。デジタルで効率化できることは、徹底して効率化する。そして、そこで生み出した時間と力を、人にしかできない仕事、すなわち区民の皆様と向き合い、寄り添う仕事に振り向けてまいります。

そして、デジタルだけでは届かない声、窓口に来ることができない方、SOSを言葉にできない方にも、職員が気づき、つながることができる。それが、私の目指す区政です。

では、これをどのように組織文化として定着させるのか。理念を掲げるだけでは、組織文化にはなりません。大切なのは、日々の仕事の進め方そのものを変えていくことです。そのために、三つのことに取り組む必要があると考えています。

一つ目は、「つなぐ」仕組みです。職員一人ひとりが「これは自分の担当ではない」と線を引くのではなく、一人の区民の課題を起点に、部局を越えてつないでいく。さらに、相談を受けた後、どの部署につながり、どこまで支援につながったのかを、組織として確認する仕組みも大事だと思っています。

二つ目は、「人」を育てることです。基本計画が掲げる「区民の声を受け止め、考え抜き、最後まで成し遂げる職員」を育てるため、研修や日々の業務を通じて、区民の声を起点に考える力を養ってまいります。あわせて、部署の枠を越えて課題を解決した取組を積極的に評価し、庁内で共有してまいります。

三つ目は、お話にもございましたが、「結果を返す」ことです。いただいた声がどのように政策に生かされたのか。実現できなかったものについては、その理由も含めて、区民の皆様にしっかりとお返ししていく。声を届ければ、区が応えてくれる。その実感こそが次の声を生み、区民の皆様との信頼を育てていきます。

「聞く」だけで終わらせない。「つなぐ」。そして「結果を返す」。私自身がその先頭に立ち、この一連の流れを、豊島区の行政文化として定着させてまいります。

行政・議会・地域・民間が共に築いてきた「共創の文化」を財産として、10年、20年先を見据えたまちづくりを進め、それを支える職員と組織を育てていく。議会の皆様と力を合わせ、区民の皆様と共に、その歩みを確かなものにしてまいりたいと考えております。

私からの答弁は以上でございます。

最後に、一言申し上げます。

先ほど西山議員から、今期限りでご勇退されるとのお話がございました。

西山議員には、長年にわたり、区議会議員として、区民の皆様の声を区政に届けていただきました。子育て支援、教育、福祉、防災、安全安心、まちづくり、孤独・孤立など、区民一人ひとりの暮らしに関わる課題に真摯に向き合われ、数多くのご提言をいただきましたことに、心から敬意と感謝を申し上げます。

そして、本日のご質問には、これまで取り組んでこられた問題意識が凝縮されていると感じております。ご質問の中で「財産」と表現された、行政・議会・地域・民間が知恵を出し合ってきたプロセス。西山議員ご自身も、まさにその歩みを担ってこられたお一人であります。

いただいたご提言をしっかりと受け止め、これからの区政に生かしてまいります。

今後とも、豊島区の発展のため、変わらぬお力添えを賜りますよう、また、任期までは、まだ半年以上ございますので、引き続き、豊島区政にお力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

  • 教育長答弁

私からは、子ども・若者の未来への投資に対するご質問のうち、まず、「いつでもどこでも学べる多様な環境」づくりのための、切れ目のない学びを具体化することについてです。

本区では、これまで「誰一人取り残さない教育の実現」に向けて、子どもたちが安心して過ごせる居場所づくりを進めてまいりました。

学校に行くことはできても、授業に参加することができない子どもを支援するためのSSR(校内教育支援センター)、家から一歩出て、生活リズムを整えることを重視する柚子の木教室、家から出られない子どもが他者と交流することを目的としたVLP(バーチャルラーニングプラットフォーム)、教科学習や学校行事など自分のペースで学ぶことができるスリジエと、それぞれの居場所の役割を明確にして、居場所の整備を進めております。また、区民ひろば要での居場所づくりなど、地域の皆様とも協力して子どもたちの支援に努めております。今後、こうした居場所とその役割についての周知をさらに徹底し、保護者や子どもたちへの丁寧なガイダンスを学校・教育委員会、関係諸機関が連携して、組織的に進めてまいります。多様な学びの場が確保され、子どもたちがどのような心の状態にあろうとも、自分に合った学びの場が選択できる切れ目のない学びの環境をさらに拡充してまいります。

 

次に、学びの多様化学校の設置可能性についての調査研究についてです。

学びの多様化学校は、不登校児童・生徒一人ひとりの実態に配慮して、特別の教育課程を編成して教育を実施している学校です。不登校の児童・生徒が通いやすい環境を用意できるというメリットがございます。一方で、本区において設置する場合には、新たな校舎の確保や少人数指導実施のための区費による教員や支援員等の確保、配置に係る経費など、解決すべき課題がございます。こうした課題を踏まえた上で、本区の不登校対策の成果や課題を検証し、他自治体の取組みについて情報収集を行うなど、学びの多様化学校設置の可能性について調査研究してまいります。

 

次に、教育センターを多様な学びの総合的なコーディネート拠点として機能を強化することについてです。

教育センターでは、令和6年度から学校配置となったスクールソーシャルワーカーが中心となり、教育相談、不登校支援、特別支援教育等の専門性を生かして学校や関係機関と連携しながら、適切な支援や学びの場につなげております。

令和10年に開設される千川複合施設において、教育センターが子ども家庭支援センター及び児童発達支援センターと同じ屋根の下で業務を進めることにより、連携を更に強固にできると捉えております。成育歴や家庭環境なども踏まえた支援を行うなど、複合施設としてのメリットを最大限に生かし、子どもや保護者の相談を丁寧に受け止め、子どもたち一人ひとりに応じた学びの場につなげていくなど、多様な学びのコーディネート機能の強化を図ってまいります。

 

次に、不登校支援の成果を学校に戻った人数だけでなく、「学びを止めずにつなぐ」という視点を成果として捉えることについてです。

本区では、不登校の子どもたちが「学校に戻る」ことだけを目的とするのではなく、「子どもの学びを止めない」という視点を大切にし、子どもたちを多様な学びの場につなげております。子どもたちは、それぞれの居場所で、学びを着実に進めており、例えば、柚子の木教室の宿泊学習における農業体験や交流活動、昨年度から開始した区立図書館での職業体験や区民ひろば要での地域の皆様との触れ合いなどを通して、自己決定力を高めたり、コミュニケーション能力を身に付けたりするなど、人や社会とつながっていくための大切な学びを得ているものと捉えております。

今後とも、一人一人の子どもたちに寄り添い、子どもたちが、いつでも、どこでも、自分に合った方法で学び、人や社会とのつながりを持ち続けられる教育環境の整備に取り組んでまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 危機管理監答弁

私からは、マンション・集合住宅防災に対するご質問のうち、まず、携帯トイレを配布するなど、自主備蓄を具体的な行動につなげるための効果的な支援についてです。

マンションにおいて発災時にトイレの排水管が破損している場合、過去の震災では低層階で汚水があふれるなどの被害が発生していることから、排水管の確認が終わるまで、居住者は携帯トイレを活用し、トイレの水を流さないことが重要です。

また、戸建ての住宅でも下水管の破損時は、トイレが流れなくなる恐れがあることから、区民に対し、携帯トイレの備蓄について広く周知を進めております。一方、各世帯への携帯トイレの配布は、携帯トイレ購入費用に加え、郵送費や配布にかかる作業の委託料など多くの費用がかかることから、まずは防災フェスや救援センター開設運営訓練、マンションの防災講話などの機会を活用し、携帯トイレを配布しその必要性を伝えております。実際に活用を体験した区民の皆さんからは大変好評であり、今後も様々な機会を活用した周知啓発を継続してまいります。

 

次に、分譲・賃貸の違いや管理状況、居住者の多様性を踏まえた集合住宅全体の防災力底上げについてです。

区としては、とどまるマンションにつながるような対策を着実に進めていく一方で、本区では共同住宅に住む区民の割合が約8割と非常に高いことから、防災協定を締結している全日本不動産協会豊島文京支部及び東京都宅地建物取引業協会豊島支部の2団体、また居住支援協議会などの関係団体と連携し、入居の機会などを活用した防災アプリの普及など、居住者に対する防災意識の向上策について検討してまいります。

さらに、消防署と連携し、マンションにおける自衛消防訓練の機会に防災講話を実施したり、今年度から実施している外国人への防災講座や防災イベントでマンション防災の普及啓発を行うことで、共同住宅の居住者が防災に触れる機会を増やし、集合住宅における防災力の底上げを図ってまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 福祉部長答弁

私からは、一人でも安心して暮らせる地域づくりに対するご質問のうち、まず、単身世帯が約3分の2を占める本区の現状認識と、単身世帯を標準的な暮らし方の一つとして捉えた分野横断的な政策の組み立てについてです。

令和2年の国勢調査における本区の世帯構成は、単身世帯が64%を占めており、23区で比較すると、新宿区、渋谷区に次いで3番目に高い割合となっております。単身世帯の中でも人口流動性の高い20代から30代が50%を占めているのが、本区の特徴の一つであり、その中には、多数の外国人も含まれております。

また、令和8年の住民基本台帳では、65歳以上の高齢者人口のうち、65歳以上の一人暮らし世帯は41.9%を占め、指定都市等の大都市の中でも非常に高い割合となっております。こうした人口構成の特性から、「基本構想・基本計画」では、孤独・孤立を生まない仕組みづくりとして、地域や行政を含めた社会とのつながりの強化を掲げております。

このように若者から高齢者まで、おしなべて単身世帯率の高い本区においては、全ての施策を展開する際には、「一人暮らし」を前提とした計画を策定し、事業を展開することが重要であると認識しています。

このため、単身高齢者に対する救急通報システムの設置支援、単身世帯向けの区営住宅の増設、新たな重度障害者グループホームの整備、単身を含む外国人を対象とした防災訓練や情報提供など、一人暮らしを意識した施策を展開しております。

「一人暮らし」への対策は、それぞれの分野のみで完結するものではないため、今後はさらに、部局横断的に情報を共有しながら、「一人暮らし」に伴うリスクを想定しつつ、地域や行政とのつながりを持つ機会を充実し、重層的な取組みを広げていけるよう努めてまいります。

 

次に、ミドル期からの予防的な孤独・孤立対策についてです。

昨年、内閣府が実施した孤独・孤立の実態把握に関する全国調査では、全体の約4割が孤独感があると回答しており、特に30代から50代の現役世代が高いという結果となりました。

本区では、これまでも、孤独・孤立により生じる課題に対して、すずらんスマイルプロジェクトや高齢者の見守りなど、支援を必要とする方の状況に応じた取り組みを行ってまいりました。

ミドル期はこれまで、課題が表面化しにくく、こうした孤独・孤立対策の主な対象となっていませんでした。

しかし、日常的な支援のニーズは低いものの、疾病や介護、失業、住まいの問題が生じることにより、突然、社会との接点を失い、孤立を深め、生活が困難となるリスクを抱えています。

そのため、ミドル期の区民に対し、今後は、転入手続きや健診、各種相談窓口、区民ひろばや図書館など、あらゆる日常的な行政との接点を活用し、区の施策に関する情報提供や、町会をはじめとする地域コミュニティ活動への参加を促進するなど、孤独・孤立の予防に向けた支援策を全庁的に進めてまいります。

 

次に、頼れる身寄りのない方への支援体制及び関係機関の支援フロー・役割分担についてです。

この度の社会福祉法改正では、多様で複雑な福祉ニーズに対応した包括的な支援体制を強化するため、頼れる身寄りのない高齢者等の課題解決を目的として、社会福祉協議会をはじめとする多様な主体により、日常的な支援等を行う新たな第二種社会福祉事業が創設されました。

一人暮らし高齢者の割合が多い本区にとっては、極めて重要な役割を担う事業であり、実施に向けた体制構築が喫緊の課題となっています。

そのため、事業実施にあたっては、社会福祉協議会のCSWや、高齢者総合相談センターの見守り支援員等が、日常の地域活動の中で、頼れる身寄りのない方を把握していきます。その後、医療、介護が必要な方や、住宅や経済的な課題を抱える方などに対しては、高齢者総合相談センターや、くらし・しごと相談支援センターなどの関係機関につなぎ、福祉サービスの利用や金銭管理等の日常の生活課題を抱える方については、サポートとしまの生活支援員が伴走型の支援を行う中で、必要に応じて、成年後見制度の利用に向けた対応を行っていきます。

さらに、複合的な課題を抱える方に対しては、区と社会福祉協議会が中心となって、より一層多くの支援機関や団体の参画による重層的支援体制を拡充し、包括的なネットワークによる、切れ目のない相談・支援を継続して行ってまいります。

また、今後、国が策定するガイドラインや、本区のこれまでの重層的支援による相談支援体制を踏まえ、単身高齢者の支援策などの地域包括ケアシステムにおける課題を検討する「地域ケア推進会議」において、本区の具体的な支援フローと役割分担について、区と社会福祉協議会、医療・介護事業所等による検討を進めていきます。

今回の法改正による新たな社会福祉事業の実施に伴い、地域福祉権利擁護事業の対象者が拡大し、また、新たに入退院・入所時の支援など、生活支援員の役割が拡がり、業務が増加するため、社会福祉協議会の組織体制強化に向けた取り組みが極めて重要となります。

そのため、区のリーダーシップのもと、社会福祉協議会と協議を重ね、CSWや生活支援員の体制充実に向けた人材確保や人材育成による支援スキルの向上、新たな社会福祉事業を見据えたモデル事業の実施など、精力的に取り組んでいきます。

こうした取組みを通じて、これまで以上に、区と社会福祉協議会の連携を強化し、頼れる身寄りのない方が安心して暮らせる、誰一人取り残さない地域共生社会を実現してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 子ども家庭部長答弁

私からは、子ども・若者の未来への投資に対するご質問のうち、まず、若者の孤独・孤立対策における地域資源との連携と支援を途切れさせない仕組みづくりの構築についてです。

若者の孤独・孤立を防ぐためには、安心して過ごし、人と緩やかにつながることができる居場所をつくり、そこでの関わりを通じて、一人ひとりの状況に応じた支援につなげていくことが重要であると考えております。

本区では、若者支援に取り組むNPO等と、それぞれの強みを活かしながら多様な居場所づくりを進めております。

また、若者の居場所を運営する団体等による「若者の居場所ネットワーク会議」を開催し、それぞれの活動や若者との関わりについて情報を共有するなど、団体同士の連携を進めております。

若者当事者の状況や意向に応じて、区とNPO等が相互に、また、NPO等の団体同士も連携することで、若者がどこにつながっても、本人に必要な居場所や支援へのつながりが生まれるよう、家庭が抱える課題も含め、それぞれの活動や強みを活かしながら支援しております。

さらに、自殺対策支援センター「ライフリンク」との協定により、自ら区の相談窓口を訪れることが難しい方にも、まずはSNS等を通じてライフリンクの相談につながり、そこから保健予防課を介して、関係部署の具体的な支援につながる新たな入口が広がるものと考えております。

今後も、地域の施設やNPO等の支援団体、区の相談窓口や専門機関など、多様な地域資源の役割や強みを活かしながら連携を深め、若者がどこで、どのような形でつながっても、そのつながりを途切れさせることなく、一人ひとりに寄り添った支援の充実を図ってまいります。

 

次に、給付型奨学金制度における制度開始前に支払った場合も含めた公平な制度設計についてです。

今回創設する給付型奨学金は、経済的な理由によって進学をあきらめることなく、子どもたちが自らの可能性を広げ、希望する進路に挑戦できるよう支援することを目的としております。

学校や選抜方法によって合格発表や入学手続、入学金等の納付時期が異なりますが、制度開始前に入学金等を納付した場合であっても、令和9年度に進学する方は、その納付時期にかかわらず支給対象といたします。

 

次に、給付型奨学金制度の対象者への確実な周知方法についてです。

新たな制度を必要とする方に利用していただくためには、制度の情報をしっかりと届けることが重要であると考えております。

このため、区ホームページや広報としま、SNS等による周知に加え、高校3年生相当年齢の子どもがいる非課税世帯に、郵送によるご案内を送付いたします。また、区内の高等学校をはじめ、子ども・若者に関わる関係機関を通じて周知するなど、様々な手段により丁寧に周知してまいります。

 

次に、奨学金返済支援についてです。

奨学金返済の負担は、若者世代のライフプランや将来設計に大きな影響を及ぼすものであり、奨学金返済支援は、安心して社会生活を送る上で重要な課題であると認識しております。

これまで、若者支援施策の一環としてどのような制度設計が考えられるか、他自治体の取り組み状況を研究しながら、効果的な支援策を検討する中で、若者の経済的負担を軽減するだけではなく、多くの地域で課題となっている福祉分野の人材確保を目的とすることに着目してまいりました。

現時点では、福祉分野の中でも、特に人材確保が喫緊の課題となっている保育人材の確保に重点を置いた仕組みの構築に取り組んでいるところです。

制度を安定的かつ継続的に運営していくためには、安定した財源の確保と具体的な制度設計が不可欠であると考えております。そのため、子ども若者基金の活用や寄附なども含め、必要な財源を有効に活用できる仕組みをあわせて検討しているところです。

保育の質のさらなる向上に向け、豊島区全体で保育人材の着実な確保や育成に取り組むため、また、有利子奨学金の金利上昇などの状況も鑑み、令和9年度の実施を目指し取り組んでまいります。

私からの答弁は以上でございます。

  • 都市整備部長答弁

私からは、マンション・集合住宅防災に対するご質問のうち、まず、予算特別委員会答弁後の賃貸マンションのオーナーや管理会社との連携についてです。

豊島区では、平成30年の住宅・土地統計調査によると、世帯の約82%が共同住宅に居住していることから、マンションの防災対策は大変重要であると認識しております。

今年度から区は、全日本不動産協会豊島文京支部及び東京都宅地建物取引業協会豊島支部の2団体において、役員会及び会員向け勉強会に職員が参加して、マンション防災の重要性を説明し「東京とどまるマンション」への加入を促しております。

また、全日本不動産協会豊島文京支部からは、主に賃貸マンションの管理を行っている不動産店を紹介して頂き、個別に「東京とどまるマンション」への加入を促す等取り組みも行っている状況です。今後、賃貸マンションのオーナーで構成される関係法人にアプローチするなど「東京とどまるマンション」の加入促進に向けた取組を進めてまいります。

 

次に、賃貸マンションオーナーや管理会社に対する「東京とどまるマンション」関するプッシュ型の取組についてです。

区の職員が現場で、マンションの所有者等又は管理者に説明する際に、所有者等から「マンションは災害に強く、安全だから」というお話を伺います。このような考えが弊害となり、マンション防災への取組が進まないのが現状です。そこで、先程の不動産2団体等への取組と共に、マンションの管理に詳しい公益財団法人マンション管理センターに協力を要請し、「東京とどまるマンション」の加入促進に向け、区と共にプッシュ型でマンション防災に取り組んでまいりたいと考えております。

 

次に、登録済みの東京とどまるマンションへの継続的な防災支援についてです。

マンションの居住者が被災後も住み慣れた自宅に留まることは、災害関連死を防ぐとともに避難所への避難者を少なくするためにも重要であることから、マンションの防災マニュアルなどを作成し、そのマニュアルに沿って備蓄や訓練を進めるための支援をしていくことは重要です。区では、これまでも要請のあったマンションなどに出向き、管理組合や居住者に対し防災講話などを実施しております。今後も、こうした要請には積極的に応えるとともに、マンション特有の災害リスクや管理組合、居住者ごとの役割や事前の備えなど、在宅避難につながるよう継続的な支援を続けてまいります。

 

次に、「東京とどまるマンション」の登録促進対策についてです。

「東京とどまるマンション」におけるエレベーターキャビネット等の防災備蓄資機材の助成制度では、防災用品の購入費の3分の2を都が助成し、残りの3分の1を建物所有者が負担する仕組みとなっています。そこで区としては、「東京とどまるマンション」の一層の登録促進を図るため、分譲、賃貸に関わらず区内の全マンションを対象に建物所有者等の負担分を区が負担する仕組みを検討してまいります。

私からの答弁は以上でございます。

 

  • 土木担当部長答弁

私からは、オートバイの駐車環境に対するご質問のうち、まず、区立自転車駐車場における原付二種の受け入れについてです。

今年3月に策定した「第三次豊島区自転車等の利用と駐輪に関する総合計画」では、「自転車ニーズとの競合や施設の状況を勘案し、原動機付自転車及び自動二輪車の対応を図る」と記載しています。そのため、区は現在、区内41全ての駐輪場の利用状況を検証し、原付二種を含めた自動二輪車の駐車スペースについて、各駐輪場の施設構造上の制約や法令上の制約、他区の先行事例も踏まえつつ具体的な検討を進めております。今年度末に策定予定の「自転車等駐車場整備計画」で検討内容を取りまとめた上で、条件の整った駐輪場から原付二種を含む自動二輪車の受け入れを行う予定です。

 

次に、既存の民間駐車場の活用についてです。

豊島区全域を対象として適用される東京都駐車場条例では、一定規模等の建物を建築する際に附置義務として整備しなければならない駐車場の台数が決まっているため、原則として、附置義務として整備した駐車場を自動二輪車等の駐車場に変更することはできません。

一方、東京都駐車場条例の特例として、駐車場の設置主体が地域で不足する自動二輪車等の駐車場を整備す0ることなどの地域貢献を行えば、附置義務の自動車の駐車台数を緩和することが可能となっております。

池袋駅周辺では、都市計画で定めた池袋駐車場整備地区において、都条例の特例を活用することが可能であり、既存の附置義務駐車場でも活用できます。

区においては、都条例の特例の活用促進のためにガイドラインを作成し、活用を促しているところですが、改めて周知を行い、自動車駐車場を自動二輪車等の駐車場に変更することを誘導してまいります。

以上をもちまして、西山陽介議員のご質問に対する答弁を終わります。