令和8年9月28日
公明党区議団 西山陽介
公明党区議団の西山陽介です。
質問に入ります前に、本年、全国各地で相次ぐ自然災害により、尊い命を失われた方々に、心から哀悼の意を表しますとともに、被災されたすべての皆様に、衷心よりお見舞い申し上げます。
それでは会派を代表し、「持続可能で温もりある豊島区の未来へ」と題し、
1.持続発展都市・豊島のこれからについて、
2.子ども・若者の未来への投資について、
3.一人でも安心して暮らせる地域づくりについて、
4.マンション・集合住宅防災について、
5.オートバイの駐車環境について、一般質問を行います。
今回が私にとりまして区議会議員として最後の一般質問となります。平成19年に初当選させていただいて以来、5期20年にわたり、区民の皆様の真心からのご支援をいただきながら、豊島区政の一端を担わせていただきました。
その中で私は、一人の声の背景には同じ悩みを抱える多くの方がいる、その声を制度や施策の改善につなげることが地方政治の役割であるとの思いで活動してまいりました。
そこで今回は、これまでの歩みを振り返りながら、次の世代にどのような豊島区を引き継ぐのかという視点から質問させていただきます。
1.持続発展都市・豊島のこれからについて
初めに、持続発展都市・豊島のこれからについて伺います。
本区は、平成26年の「消滅可能性都市」との指摘を転換点に、行政、議会、区民、地域団体、民間事業者が知恵を出し合い、持続発展都市を目指してきました。新庁舎整備や旧庁舎跡地活用など、限られた土地や財源を生かし、「どうすればできるか」と工夫してきたことは大きな財産です。
新たな基本構想は、「誰もがいつでも主役」「みんながつながる」「出会いと笑顔が咲きほこる、憧れのまち」の三つの理念を掲げ、声なき声にも耳をすませ、誰一人取り残さず、多様な主体と協働する方向を示しています。
一方、人口や世帯構成の変化、公共施設の老朽化、建設費の上昇、地域コミュニティの変容など、本区を取り巻く環境は大きく変化しています。子ども・若者への支援、単身世帯への対応、マンション防災など、すでに顕在化している課題も複雑化し、部局横断で取り組む必要性が一層高まっています。
こうした現在の課題に的確に対応しながら、その先の10年、20年後を見据え、将来世代に過度な負担を残さず、豊島区らしい魅力と安心をどう持続させていくのか。今こそ長期的な視点が必要です。
そこで高際区長に三点伺います。
第一に、「消滅可能性都市」との指摘から今日までの変化をどう総括し、次代へ継承すべき本区の財産をどのようにお考えでしょうか。人口の回復や都市再生等の成果に加え、行政・議会・地域・民間が課題を共有し、知恵を出し合ってきたプロセスも財産ではないかと考えます。ご認識を伺います。
第二に、その財産を生かしながら、基本構想が描く未来像を10年、20年先を見据えてどう具体化していかれるのか、区長のグランドデザインを伺います。これからも住み続けたいと思える生活の質、子ども・若者の希望、地域で支え合う力、災害への強さ、公共施設や財政の持続可能性をどう両立させるかが問われます。豊島区のあるべき将来像から逆算して政策と投資の優先順位を示すことが必要と考えます。ご見解をお聞かせください。
第三に、その実現を支える区政運営です。基本計画は、区民の声を受け止め、考え抜き、最後まで成し遂げる職員と組織、持続可能な行財政運営、デジタル技術の活用を掲げています。AIやデジタル技術が進歩しても、行政の中心に「人」がいることは変わりません。
一人の声を庁内で共有し、部局横断で政策につなげ、結果を区民へ返す。「一人の声から始まる、誰一人取り残さない区政」を、どう組織文化として定着させるのか伺います。
2.子ども・若者の未来への投資について
次に、子ども・若者の未来への投資について、三つの視点から伺います。
第一は、若者の孤立を防ぐ居場所と伴走支援です。
SNSでつながっているように見えても、本音を言えず孤立する、「つながっているのに孤独」という若者がいます。支援が必要であるにもかかわらず、自ら相談窓口に来られない場合もあります。
基本計画では若者支援団体との連携による居場所の創出を掲げ、実施計画2026にも「子ども若者の居場所事業」が位置づけられています。重要なのは、居場所を増やすことに加え、そこでつながった若者を、必要に応じて福祉、教育、医療、就労等へ切れ目なくつなぐことです。
さらに本区は、自殺対策支援センター「ライフリンク」と協定を締結しました。区長は今回の連携について、つらいと言えない若年層への支援を強化していくと示されています。
まずは安心して過ごせる場所で信頼できる人と出会い、必要な時に専門支援へつながる。家庭そのものが困難を抱える場合には、児童福祉、教育、保健等が家庭全体に伴走することも重要です。
若者の孤独・孤立をどう捉え、区民ひろば、若者支援団体、NPO、専門相談機関など地域の資源をどうつなぐのでしょうか。この度のライフリンクとの連携も生かし、居場所から相談、専門支援、その後の伴走まで、支援を途切れさせない仕組みをどのように構築していかれるのか、展望を伺います。
第二は、学びの多様化です。
教育大綱は「子どもの学ぶ権利を保障する」とし、教育ビジョン2025は、不登校対策の5年後の姿として「子どもたちが、いつでもどこでも学べる多様な環境が整備されている」ことを掲げています。
本区では、適応指導教室「柚子の木教室」、VLP(バーチャルラーニングプラットフォーム)、チャレンジクラス「スリジエ」など、学びの選択肢を広げてきました。
さらに今月から、全ての小学校に校内教育支援センター、SSRが開設されました。区長は招集あいさつで、教室に入りづらい、集団で過ごすことに不安がある子どもたちが、自分のペースで安心して過ごせる居場所として有効活用を進めると述べられました。
私は、このSSRの全小学校への開設を大きな前進と評価しております。
大切なのは一人ひとりの状態や希望に応じて、SSR、柚子の木教室、VLP、スリジエなどを選び、必要に応じて行き来できるようにすることです。
私はこれを、豊島区における「学びの連続体」として構築していただきたいと考えます。教育ビジョンが掲げる「いつでもどこでも学べる多様な環境」を、子どもの側から見て切れ目のない学びとして、どのように具体化していかれるのか、清野教育長のご見解を伺います。
一方、世田谷区では本年4月、23区初の学びの多様化学校として、北沢学園中学校を開校しました。学びの多様化学校は、一人ひとりに応じた柔軟な教育課程や少人数での学びを実践し、その成果を既存の学校教育にも還元できる可能性があります。
本区でも、SSRをはじめとする既存の支援を充実させながら、不登校児童・生徒の状況や子ども・保護者のニーズを踏まえ、学びの多様化学校の設置可能性について調査研究に着手してはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
さらに、教育センターは、教育相談、不登校支援、特別支援教育、スクールソーシャルワーカーなど、多様な機能を担っています。今後は千川複合施設で、子ども家庭支援センター、児童発達支援センターとの連携強化も予定されています。
学びの選択肢が増えるほど、子どもや保護者が「どこに相談し、どの学びが自分に合うのか」を一人で判断することは難しくなります。
教育センターが一人ひとりの状況や思いを丁寧に把握し、最も合う学びの場につなぎ、必要に応じて福祉や医療とも連携し、その後もフォローする、「多様な学びの総合的なコーディネート拠点」として、さらに機能を強化するべきと考えますが、お考えを伺います。
あわせて、不登校支援の成果については、「何人が学校に戻ったか」だけではなく、「何人の学びを止めずにつなぐことができたのか」という視点から捉えることが重要です。子どもが自分に合った場所で学びを継続し、人や社会とのつながりを保てていることも成果として捉えていくことについて、お考えをお聞かせください。
「不登校対策」から、さらに一歩進んだ「学びの多様化」へ。SSRの全小学校への開設を契機として、「どこにいても、その子の学びを止めない」教育を、豊島区からさらに進めていただきたいと思います。
第三は、学びを経済面から支える施策です。
私は昨年の第三回定例会で、本区独自の奨学金返済支援制度を提案し、区から効果的な仕組みづくりを検討するとの答弁をいただきました。また、私ども公明党区議団は、先月8月24日、高際区長に区独自の給付型奨学金制度の創設を要望しました。
こうした中、今定例会の補正予算案に給付型奨学金制度の創設が盛り込まれたことを、大きな前進として評価いたします。
区長は招集あいさつで、教育は「一人ひとりの可能性を広げるもの」であると同時に、「地域や社会の未来を支える重要な投資」であると述べられました。そして、この奨学金は単に経済的な支援を行うだけではなく、地域全体で子どもたちを応援し、「あなたの挑戦を支えたい」「あなたの未来を信じている」というメッセージを届ける取組であるとの思いを示されました。私も全く同感です。
そこで、制度の対象と周知について伺います。
この制度は、区内に3年以上居住する非課税世帯の進学者を対象に、大学や専門学校等への進学に際して、返済不要の40万円を支給するものとされています。
制度創設にあたって、令和9年度に大学や専門学校等へ入学する方が対象ですが、大学等によって合格発表や入学手続、入学金・初年度学費等の納付時期は異なります。制度開始前に納付期限を迎える方も考えられます。
同じ令和9年度入学者でありながら、入学金等を支払った時期や制度の開始時期との前後関係によって、支援を受けられる方と受けられない方が生じることがあってはなりません。
令和9年度入学者について、制度開始前に入学金や初年度学費等を支払った場合も含め、納付時期に左右されることなく公平に対象となる制度設計とすべきと考えますが、区のお考えを伺います。
また、制度を創設しても、対象となる方に情報が届かず、制度を知らなかったために利用できない方が生じてはなりません。特に制度開始の初年度は、丁寧かつ確実な周知が重要です。
対象となる方を誰一人取り残すことなく、必要な方に確実に制度の情報を届けるため、どのような周知に取り組まれるのか伺います。
あわせて、昨年提案した奨学金返済支援について伺います。
進学時を支える給付型奨学金と、卒業後の返済負担を軽減する返済支援は、若者の未来を支える両輪です。
特に今、新たな課題となっているのが、有利子の第二種奨学金の金利上昇です。
日本学生支援機構によれば、本年8月に貸与を終了した方の第二種奨学金の基本月額の利率は、固定方式で上限となる年3%、見直し方式でも年2.2%となりました。利率は貸与終了時に決まるため、借り始めた時には将来の返済負担を確定できません。
奨学金は学ぶ機会を支える制度である一方、その返済が社会に進出した若者の生活設計や結婚、子育てなど、将来の選択を狭めることがあってはならないと思います。
こうした金利上昇の状況も踏まえ、区内企業による代理返還制度との連携や、福祉分野などの人材確保も視野に入れながら、本区独自の奨学金返済支援をどのような考え方で具体化していかれるのか、現在の検討状況と今後の方向性を伺います。また令和9年度からの開始を目指すお考えかどうか、お聞かせください。
進学するときも、社会に進出した後も、経済的事情によって若者が可能性を諦めることのないよう、切れ目なく支える。「あなたの未来を信じている」という区長のお言葉を、具体的な政策として若者に届けていただくことを期待しております。
3.一人でも安心して暮らせる地域づくりについて
次に、一人でも安心して暮らせる地域づくりについて伺います。
令和2年国勢調査では、本区の一般世帯18万3,687世帯のうち単身世帯は11万7,608世帯、64%です。およそ3世帯に2世帯が一人暮らしで、20~39歳が約5万6,500世帯、40~64歳が約3万3,500世帯、65歳以上も約2万1,000世帯です。
また、本区は外国籍住民が多いことも特徴の一つです。令和8年1月1日現在、外国籍住民は3万8,584人、人口の13%を占め、その世帯構成では「外国人のみの単身世帯」が82.8%となっています。
こうして見ると、本区の単身世帯は、高齢者だけでも、若者だけでも、外国籍住民だけでもありません。世代や国籍を超えて、一人で暮らすことが本区における標準的な暮らし方の一つになっていると捉える必要があります。
そこで、三つの視点から伺います。
第一は、単身化を前提とした区政のあり方です。
これまで行政の多くの制度や地域の支え合いは、家族や同居者がいることを一つの前提として組み立てられてきました。しかし3世帯に2世帯が単身世帯である本区では、病気、住まい、災害、生活上の困りごとなど、様々な場面で「一人で暮らしている」ことを前提に施策を考える必要があるのではないでしょうか。
もちろん、単身であること自体が直ちに支援を必要とするということではありません。大切なのは、一人で暮らしていても、必要な時には必要な支援につながり、安心して暮らし続けられる環境を整えることだと考えます。
そこで伺います。単身世帯が約3分の2を占める現状を、本区の人口・世帯構造の大きな特徴としてどのように認識しておられるでしょうか。
また、今後の区政において、「一人で暮らしていること」を標準的な暮らし方の一つとして捉え、福祉、保健、住宅、防災、孤独・孤立対策など、分野を横断して政策を組み立てていく必要があると考えます。区のご認識と、今後の取組の方向性を伺います。
第二は、ミドル期からの予防的な孤独・孤立対策です。
40~64歳の単身世帯は3万3千世帯を超えます。普段は支援を必要としなくても、失業、病気、親の介護や死別、収入減、住まいの問題を契機に困難が表面化することがあります。孤立は、高齢になった日に突然始まるわけではありません。40代、50代から地域や行政との接点が乏しく、生活上の変化が重なることで深まる場合があります。高齢期の前から緩やかにつながっておくことが、予防の上で重要です。
基本計画や実施計画に基づき相談支援の充実を進める中、健診、転入手続、住宅相談、就労支援、区民ひろばなど日常の接点を生かし、孤立が深刻化する前につながる「予防的な孤独・孤立対策」をどう進められるのか伺います。
第三は、「頼れる身寄りのない方」への支援です。
「家族がいること」と「実際に頼れる人がいること」は同じではありません。緊急連絡先、入院時の手続、金銭管理、退院後の生活調整、葬儀や家財処分など、これまで家族が担うことを暗黙の前提としてきた場面は少なくありません。単身化が進む中、これらを本人や現場の善意だけに委ねるのではなく、社会全体で支える仕組みに転換していくことが求められています。今般の社会福祉法等の改正では、頼れる身寄りがいない高齢者等への日常生活支援、入院・入所等の手続支援、死後事務支援を行う事業が第二種社会福祉事業に位置づけられます。
本区はこの法改正をどう受け止め、高齢者総合相談センター、くらし・しごと相談支援センター、終活あんしんセンター、社会福祉協議会、成年後見制度等をつなぎ、切れ目なく支える体制をどう整えるのでしょうか。あわせて、医療、介護、福祉等の関係機関が「誰が、どこまで担うか」を共有できる支援フローと役割分担をどのように構築されるのか伺います。
単身世帯が約3分の2を占める本区だからこそ、「頼れる家族がいなくても安心して暮らし続けられる」ことを前提とした行政へ、さらに一歩進めていただきたいと思います。
4.マンション・集合住宅防災について
次に、マンション・集合住宅防災について伺います。
前項の「一人でも安心して暮らせる地域づくり」を考える上でも、集合住宅防災は重要です。区内には分譲マンション、賃貸マンション、小規模共同住宅があり、多様な区民が暮らしています。
一般的にマンションは耐震性が高い一方、「建物が倒れないこと」と「安全に暮らし続けられること」は同じではありません。家具の転倒、エレベーター停止、停電、断水、給排水設備の損傷等が想定されます。本区が在宅避難を推奨する以上、発災後も生活を継続できる「在宅避難力」を高める必要があります。
本区が防災アドバイザー派遣、「東京とどまるマンション」の普及、防災マニュアルひな形の作成等を進めていることを評価しております。
「東京とどまるマンション」の区内登録は、令和8年6月30日現在37棟となっており、区では、そのうち分譲マンション24棟、賃貸マンション13棟を把握しているとのことです。賃貸マンションでも登録が進んでいることは、一つの前進です。今後、こうした取組を区内にどう広げていくかが重要です。
私は本年の予算特別委員会で、分譲・賃貸の区別ではなく、マンションに住む区民という観点から防災施策を考える必要性を提案しました。その際区は、分譲マンションについては管理状況の届出等を通じて情報を把握できる一方、ワンオーナーの賃貸マンションは情報を十分に持ち合わせていないことを課題として挙げ、オーナーや管理会社へのヒアリング等による実態把握と支援策の検討を進めると答弁しています。
東京都では賃貸マンションのオーナー等を対象に防災アドバイザーを無料派遣しています。私自身も都から案内を受け、アドバイザーの支援を受けて防災マニュアルを作成し、登録に向けた準備を進めています。「制度を用意すること」と「必要な人に届けること」は違うと実感しました。
区内賃貸マンションの棟数や所在地をすべて正確に把握することは難しいと理解します。しかし、集合住宅全体の防災力を高めるためには、行政から見えにくい賃貸にも支援を届ける必要があるのではないでしょうか。様々な関係団体等との連携を通じて、賃貸マンションオーナーや管理会社等との接点を広げていく必要があると考えます。
先の予算特別委員会答弁後、賃貸マンションのオーナーや管理会社との連携について、どのように進めてきたのでしょうか。お聞かせください。
管理組合のない賃貸マンションだからこそ、オーナーや管理会社への働きかけが重要です。都の制度とも連携し、「東京とどまるマンション」への登録、マニュアル、備蓄、訓練等について、賃貸にも行政側から情報と支援を届けるプッシュ型の取組を進めてはいかがでしょうか。お聞かせください。
また、マニュアルは作成して終わりではありません。東京都の賃貸マンション向け事業では、発災時に居合わせた居住者だけでも活用しやすいカード式のマニュアルを用意するなど、実際に動けることを意識した工夫があります。居住者への共有、入居者が替わった際の引継ぎ、安否確認や情報伝達の役割、訓練への接続まで進んで初めて、マニュアルが災害時の力になります。
「東京とどまるマンション」への登録もゴールではありません。登録したマンションに対して、マニュアルが居住者に共有され、訓練、備蓄、安否確認など具体的な行動につながっているかという視点を持ち、住宅部門と防災部門が連携して、登録後も防災力を高めていく継続的な支援が重要だと考えます。
登録されている、とどまるマンションについて、平時から実践的な防災力を高めるため、区としてどのような継続的な支援を進めていくのか伺います。
東京都では、「東京とどまるマンション」に登録したマンション所有者に対して、令和5年からエレベーターキャビネット等の防災備蓄資器材の購入費の一部を助成等しております。先ほど、申しましたとおり豊島区内の「東京とどまるマンション」の登録数は、37棟となっており、まだまだ普及が進んでいないと感じています。
そこで、「東京とどまるマンション」への登録促進のためには、東京都の補助と合わせて、区も防災備蓄資器材の購入費を補助できるよう検討してはいかがでしょうか。また、検討する際には、危険性は分譲でも賃貸でも変わりません。賃貸マンションの所有者も分譲マンションの管理組合と同様に対象として頂きたいと考えますが、いかがでしょうか。
在宅避難ではトイレ対策も欠かせません。
地震後、排水管が損傷していれば、上階から流した汚水が下の階であふれることがあります。排水設備の安全確認までは水洗トイレを流さず、携帯トイレを備蓄することの周知徹底が必要です。
新しい防災ハンドブックによる周知を実際の備蓄行動へどうつなげるのか。例えば一定数の携帯トイレを各世帯へ配布することも選択肢の一つとして考えられますが、自主備蓄を具体的な行動につなげるため、どのような支援が効果的か検討する必要があると考えます。区の考えを伺います。
管理組合が機能するマンションだけに支援が届くのでは十分ではありません。管理組合の活動が弱い分譲、管理組合のない賃貸、小規模共同住宅ほど行政から見えにくく、備えが進みにくい可能性があります。管理状態や所有形態の違いが安全格差にならないよう、不動産関係団体、管理会社、賃貸オーナー等とのネットワークを広げ、取組が進んでいない集合住宅にも支援を届ける仕組みが必要です。
さらに、町会・自治会や救援センターとの訓練、情報・物資提供など、マンション防災と地域防災をつなぐ取組も重要です。在宅避難者にも情報や支援物資、医療・福祉情報が届く仕組みを平時から確認し、高齢者、障がいのある方、一人暮らしや外国人など多様な居住者に、やさしい日本語や多言語も活用して伝える必要があります。
マンション防災で大切なことは、そこに暮らす一人ひとりの命を守り、災害後の生活も守ることです。分譲か賃貸か、管理組合があるかないかによって、安全・安心に差が生じてはなりません。
「分譲マンションへの防災支援」から、「集合住宅に暮らすすべての区民を守る防災」へ。分譲・賃貸の違いや管理状況、居住者の多様性なども踏まえ、本区の集合住宅全体の防災力をどう底上げされていかれるのか、区の展望を伺います。
5.オートバイの駐車環境について
最後に、オートバイの駐車環境について伺います。
この問題は、私自身、平成30年から委員会等で取り上げてまいりました。原付二種や自動二輪には今なお「止める場所が少ない」という声があり、適切な駐車場所の確保は、利便性だけでなく違法駐車の抑制や歩行者の安全にもつながります。
令和8年4月1日時点で、区内の原付一種は2,851台、原付二種は2,664台です。
区立自転車駐車場は41か所、原付収容139台となっていますが、現行制度で利用できるのは第一種原付に限られています。
新基準原付では125cc以下でも一定の出力要件を満たせば第一種原付として利用できる一方、同程度の車体でも原付二種は利用できません。
昨年の都市整備委員会で、区からは「自動二輪や原付二種の受入れも積極的に考えていく」との答弁がありました。その後、墨田区では条例改正を経て、江東区では施行規則を改正し、それぞれ一部の区立自転車駐車場で原付二種等の受入れを進めています。
両区とも、すべての施設を一律に対象とするのではなく、施設の条件を見極めながら受入れを進めています。この点は、限られた区立施設の中で実現可能な場所から着手するという意味で、本区にも参考になると考えます。
そこで、二点伺います。
第一に、区立自転車駐車場における原付二種の受入れです。昨年の答弁後、どのような検討を進めてきたのでしょうか。他区の事例も参考に、条例・規則の見直しを含め、安全面や施設構造、法令上の条件等を整理し、条件の整った施設からモデル的に受け入れられないでしょうか。お考えを伺います。
第二に、区立自転車駐車場だけでは受入れが難しい自動二輪も含めた、既存の駐車資源の活用です。池袋駅周辺の自動車駐車場の余剰や、民間駐車場、大規模開発の駐車施設などを活用し、民間事業者、鉄道事業者、商業施設等との連携によって、原付二種や自動二輪の駐車スペースが増やせるのではないかと考えますが、ご見解をお聞かせください。
平成30年当時は難しい課題との答弁でしたが、本区も受入れを積極的に考える方向を示し、他区では具体化が進んでいます。課題を認識する段階から、一台でも多く止められる場所をつくる段階へ、取組をさらに前へ進めていただくことを期待します。
結びに申し上げます。
これまでの20年、「一人の声を大切にする」という思いだけは、変わることなく持ち続けてきたつもりです。
制度は変わり、まちの姿も時代も変わります。しかし、議会と行政が守らなければならないものは、一人ひとりの暮らしであり、命であり、尊厳です。
子どもたちが未来に希望を持ち、高齢者が安心して暮らし、多様な人々がお互いを認め合い、一人で暮らしていても孤立せず、災害にも強く、すべての人が「このまちに住んでよかった」と思える、温もりある豊島区であり続けることを心から願い、私の一般質問を終わります。
ご清聴いただきまして、誠にありがとうございました。
